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父の趣味、カメラ。その2
2006 / 09 / 22 ( Fri )
父の愛機はライカだった。でも私が好きだったのは、縦長で目玉が2つあって、パカッと蓋みたいなもの開けると、磨りガラスがあって、逆さまになるけど撮影しようとする像が上からのぞけた機種。マミヤか、ローライか忘れたけど、今で言うならデジカメの液晶パネルだ。それを見せてもらうのが好きだった。

父はライカを下げてよく撮影会などに行った。ある撮影会のあと父が、今日は入江さんに会った。入江さんは、ライカくらいでないと撮られた気がしまへんな、と言っていたとか。後で撮影した白髪の人の写真を見せてくれた。入江さんとは、大和路を撮影したカメラマンの入江泰吉のことだ。どうも会のメンバーみたいなのがあって、入江さんはその師匠というか、先生のような立場だったらしい。

子供の頃、家には賞状が何枚も飾られていて、推薦とか入賞とか書かれていた。トロフィーもあった。やがて、写真がカラー化するとほどなく暗室は使われなくなった。母は部屋がひとつ使えると喜んでいた。台所のすぐ後ろだったから。

成人になったときに一眼レフカメラを買ってくれたことがある。アサヒペンタックスで、望遠ズームや広角レンズもあった。しかしあまり使わなかった。だって、カラー写真って高かったもの。現像が一枚、40円から50円くらいで、36枚撮りなんか2000円以上だったから、貧乏学生の私には、おいそれと現像など出せなかったから。

東京へ出てからは、まるで使わず、帰郷すると父はいつも使っているかと聞く。父の趣味を受け継がなかったのは申し訳ないが、今やデジカメ。もう最近は言わないが、帰ると必ずライカを取り出してあれやこれやと自慢も交えて説明をする。うんうんと頷きながら聞くことが親孝行だと思って。でも内容はほとんど聞き流す。もうそのカメラを入れたケースもどこへやら。今回は、カメラを話しは一切しなかった。
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